大会に向けて:その2

さて、その2、です。

大会も早くも来週に迫ってまいりました。プロ野球も全行程が終わり、ストーブリーグですよ。くっくっく・・・。

さておき、先日の「その1」では初日のパネルディスカッションの話を少ししたので、今回は2日目のパネルディスカッションの話でもしましょうか。現代においてと言いますか、歴史的な展開を見てもコンテンツを語る上において「メディアミックス」は決して避けて通れない事象だと思います。その点を歴史的な展開や現在、そして未来に関してお三方を読んでお話いただくことになります。あかほりさとるさんはもう言わずもがな。私が思春期であった90年代に『爆れつハンター』、『セイバーマリオネット』、『VS騎士ラムネ&40炎』、『サクラ大戦』と数々の作品を手掛け、とくにアニメだけではなく小説としても作品を世に送り出し、そのメディアミックス展開の凄まじさが記憶にあります。また2000年代に入ってからの『かしまし』の衝撃は・・・。当時、吉田会長と同じ職場でしたが、何度、『かしまし』の話をしたことか・・・。井上社長も言わずもがな(2回目)。㈱角川書店代表取締役社長の方です。実は以前、本学会の前身であった某授業(詳細は『コンテンツ文化史研究』創刊号の吉田会長の文章をご覧ください)で、井上社長をお呼びしたことがございます。そのときTAを私がしていたので、ちゃっかり受講生ではないというのに聞いていたのですが、編集者としておられた『アニメック』や『ニュータイプ』などの雑誌の話、さらには現在の角川書店の話などやはり歴史性もって語っていただきました。最後にハルヒダンスを皆で見た記憶がありますね。松さんも言わずもがな(3回目)。『迷い猫オーバーラン!』の大ヒットは記憶に新しいかと思います。現在、矢吹健太朗さんによって『ジャンプSQ』で漫画が連載されており、さらには今年アニメ化されました。これ以外にも様々なメディアミックス展開を続ける作品を生み出した松さんにお話を聞くことができるでしょう。

お三方それぞれクリエーターや出版社としての立場から「メディアミックス」の過去・現在・未来を照射し、様々な課題や論点が明らかになると思います。ぜひご参加ください。こちらをお読みになり、参加登録を!

アフタヌーン新書 005 オタク成金

維新のKAGURA(1) (KCデラックス)

EMOTION the Best かしまし~ガール・ミーツ・ガール~ DVD-BOX

涼宮ハルヒの憂鬱 ブルーレイ コンプリート BOX (初回限定生産) [Blu-ray]

迷い猫オーバーラン! 拾ってなんていってないんだからね!! (迷い猫オーバーラン! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

迷い猫オーバーラン!第1巻 〈通常版〉 〈Blu-ray〉

大会に向けて:その1

皆様。
今年の本学会大会「拡大するコンテンツ」が来週末に迫ってまいりました。参加を検討されている方はぜひこちらから参加登録をお願いいたします。

しかし、既に発表されているプログラムを見ても、よく分からない。という方もおられるかもしれませんので、本日より断続的にこのブログにて紹介していきたいと考えております。あとは関係しそうな参考文献など紹介できたら良いですね。

まずは基本的な情報からになりますが、大会は主に4つのパートに分けられています。自由論題発表、テーマ発表、記念講演、パネルディスカッションの4つです。自由論題発表に関してはコンテンツ文化史に関する発表を会員から応募し、審査を経て、発表していただくもの。テーマ発表は今年のテーマ「拡大するコンテンツ」に合わせた発表を同じく会員から応募し、審査を経て、発表していただくものになります。記念講演、パネルディスカッションはこちらから依頼をし、発表していただくものです。というのが基本構造です。今年の発表に間に合わなかった方は来年もございますので、ぜひご応募ください。

さてそのうち目玉となるのがパネルディスカッションです。初日は「大学におけるコンテンツ教育の現状と課題」と題しまして、岩谷徹先生、岡本美津子先生、菅本順一先生にご登壇いただきます。近年、様々な大学でゲーム、アニメ、マンガなどを取り扱う学部・学科が増えてまいりました。しかし、コンテンツは学問のみならず教育といった点においても、出来たばかりの学問であるがゆえに様々な問題を抱えているかと思います。その点について三人の先生方にお話いただきます。

岩谷先生は今年30周年をむかえ展覧会も開かれましたパックマンの生みの親として名高い先生です。また今年の4月には東京工芸大学にてゲーム学科が設立され、教育という点においても新たな展開をされております。岡本先生は特にNHKの「デジタル・スタジアム」を手がけられ、アートアニメに造詣が深い先生です。こちらのページでは「デジスタ」で発表されたアニメーションの一部が閲覧できます。菅本先生は『マンガの創り方』などを執筆されている先生であり、マンガ原作者として名高い小池和夫先生が主催されていた劇画村塾(現MANGARAK)に関わられ、マンガ創作の指導を続けられている先生です。このお三方によるシンポジウムとなりますので、ゲーム・アニメ・マンガといった3つの媒体の視点から、現代のコンテンツ教育さらには今後の教育のあり方について議論されることになると思います。ぜひともご参加ください。

パックマンのゲーム学入門

デジタル・スタジアム DVD-BOX

マンガの創り方 ストーリー篇

例会お疲れ様でした&1ヶ月後に大会です!

先日のコンテンツ文化史学会2010年第2回例会「ゲーム産業は、いかにして成立しえたのか」はお疲れ様でした。3名の発表が学術と産業という中で見事に結合し、総体として素晴らしい例会になりました。発表された井上様、米光様、樺島様にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。またご参加いただいた皆様もありがとうございました。

当日発表されたうち井上明人さんはご自身のサイトでスライドを公開されております。

http://d.hatena.ne.jp/hiyokoya/20101025

また下記のサイトでは詳細なメモが公開されております。

http://d.hatena.ne.jp/beniuo/20101024
(すちゃもく雑記)

さらには当日のtwitterのつぶやきが下記にまとめられております。

http://togetter.com/li/62109

そして例会から1ヶ月というスパンで本学会の大会「拡大するコンテンツ」が開催されます。こちらのほうは早々と参加申込受付がはじまりました。ぜひともご参加ください。

誰でも作れる電子書籍 今すぐできる制作から販売まで

仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本

2010年大会「拡大するコンテンツ」のお知らせ(参加登録受付開始)

コンテンツ文化史学会では、来る11月20日(土)、21日(日)に第2回大会「拡大するコンテンツ」を開催いたします。お手数をおかけしますが、参加される際には参加申込フォームより、ご登録をお願いします。

—-

○趣旨説明

本学会は2009年度に第1回大会「アマチュア文化とコンテンツの未来」を開催した。この大会では、変貌するコンテンツ制作とその発表の「場」を考 えるべく、アマチュアが創作する音楽、ゲーム、ファッションについて精力的考察を行ってきた研究者が成果発表を行った。また、アマチュアのクリエイタ―が 創作・交流を行う場を提供している関係者を迎え、パネルディスカッションを開いた。

さらに2010年にはプロとして活躍するコンテンツクリエーターを迎えて、東京国際アニメフェア2010にて、シンポジウム「変容するコンテンツ文 化とクリエイター -進化するアニメ、ゲーム、ノベルの可能性-」を開催し、自らを取り巻く制作環境の変遷や創作活動の源泉を聞き、今後のコンテンツ文化の発展の可能性や方 向性について議論した。

以上を踏まえて、本学会は「拡大するコンテンツ」と題し、プロ・アマチュアなどを問わず変貌するコンテンツの創作状況や発表・交流の「場」、さらに は研究者自身の方法論的問題をテーマとした第2回大会を開催する。同時代的なコンテンツ作品およびそれに関連する文化的状況をいかに分析するか。本大会 が、今後のコンテンツ文化史への議論の礎のなることを期待する。

○参加申込フォーム

http://www.contentshistory.org/event_entry/
当日参加につきましては申込の状況に応じアナウンスさせていただきますので、こまめに学会ウェブサイトをご確認くださいますよう、お願い申し上げます。

また大会初日終了後に簡単な懇親会を行ないます。こちらもぜひご出席ください。

【概要】

○大会テーマ:

「拡大するコンテンツ」

○開催日:

2010年11月20日(土)・21日(日)

○場所:

東京大学工学部2号館93B教室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_18_j.html

○参加費

3000円(非会員2日間参加)
2000円(非会員1日のみ参加)
1000円(学生)
無料(会員)

参加費をお支払いいただくと当日配布の予稿集を差し上げます。また、両日とも参加される方は初日に受付でお渡しする領収書を2日目にお持ちください。学生の方は学生証を受付にてご提示ください。

○スケジュール

11月20日(土)
<自由論題発表>
10:40-11:10
玉井建也(東京大学)「明治期における本土から見た琉球認識―「豊臣秀頼琉球征伐」をめぐって」

11:10-11:40
中村晋吾(早稲田大学院)「様々なる衣裳、可視化される世界―宮澤賢治「ビヂテリアン大祭」をカーライル「衣裳哲学」から読み解く」

11:40-12:10
大島十二愛(共立女子大学)「新聞記者時代の久留島武彦と子ども向けジャーナル―中央新聞『ホーム』のデジタル化保存と分析を中心に―」

昼休み

<テーマ発表>
13:00-13:30
小山友介(芝浦工業大学)「JRPGの誕生と概念の吟味」

13:30-14:00
七邊信重(東京工業大学)「ボトムアップのコンテンツ制作とビジネスとの連関―PCノベルゲームと家庭用リズムゲームの開発事例から」

休憩

<パネルディスカッション>
14:10-17:30
「大学におけるコンテンツ教育の現状と課題」
・岩谷徹(東京工芸大学ゲーム学科教授)
・岡本美津子(東京芸術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授)
・菅本順一(大阪芸術大学キャラクター造形学科教授)
司会:吉田正高(東北芸術工科大学デザイン工学部メディア・コンテンツデザイン学科准教授)

18:00-
懇親会

11月21日(日)
<テーマ発表>
10:30-11:00
山根信二(青山学院大学)「ゲームの研究と教育における大学の戦略」

11:00-11:30
戸田千速(東京大学院)「コンテンツ産業化が進む鉄道産業に関する一考察」

11:30-12:00
堀内淳一(学習院大学)「歴史コンテンツの受容に関する実態調査―「新撰組」コンテンツに関する調査報告」

昼休み

<記念講演>
13:00-14:00
出口弘(東京工業大学)「Visual Narrative Communication Revolution」

休憩

<パネルディスカッション>
14:10-17:30
「メディアミックスの歴史と展望」
・あかほりさとる(作家、脚本家、プロデューサー)
・井上伸一郎(㈱角川書店代表取締役社長)
・松智洋(作家、脚本家)
司会:吉田正高

○2010年コンテンツ文化史学会大会実行委員会

実行委員長:七邊信重(東京工業大学)
委員:井上明人(国際大学)
委員:今井信治(筑波大学院)
委員:大橋正司(東京大学院)
委員:樺島榮一郎(相模女子大学)
委員:こさささこ(クリエーター)
委員:小山友介(芝浦工業大学)
委員:玉井建也(東京大学)
委員:中村仁(東京大学)
委員:中村晋吾(早稲田大学院)
委員:東健太郎(東京大学院)
委員:吉田正高(東北芸術工科大学)

○取材申込、お問い合わせ

取材等をご希望の場合はコンテンツ文化史学会事務局まで直接お申し込み、またはお問い合わせください。

お問い合わせフォーム
http://www.contentshistory.org/contactus/

○主催:

コンテンツ文化史学会、東京工業大学エージェントベース社会システム科学研究センター

例会当日になりました。

前々からお伝えしてまいりました例会ですが、ついに本日となりました。

本日、13時開場となります。田町駅近くのキャンパスイノベーションセンター東京が会場です。当日、飛び入り参加もありですので、お近くにお寄りの際はぜひ足をお運びください。

例会があると聞いて

聞いてと言いますか、委員なので横でセッティングなどを見ておりましたが。今度の土曜日に2010年第2回例会「「ゲーム産業は、いかにして成立しえたのか」が開催されます。お時間ある方はぜひともご参加ください。

さておき、産業研究は私は門外漢なので、ほとんど分かりません。したがって、事前に何か読んで予習でもしようかと思い、色々と探って・・・探ったところで力尽きていますが、一応、下記に列挙してみましょう。

ここ数年はこのようにコンテンツ産業に関する本がたくさん発行されております。タイトルにありますように「コンテンツ」ですので、ゲームに特化したものではありませんが、現状を押さえるにはこの手のものから読み始められるのがベストだと思います。

続けて以前の更新でも取り上げました『デジタルゲームの教科書』。まさしく教科書ですので、基本事項の確認には最適です。特に第3章は「ゲームとゲーム産業の歴史」となっており、今回の例会には最適です。

続けてはこちら。90年代半ばにNHKスペシャルにて放送された「新・電子立国」の第4巻です。「ビデオ・ゲーム・巨富の攻防」というタイトルで発表されており、特にゲーム産業の歴史を語る上では今なお様々な論文や著作に引用される基本的な文献になります。

そして上記とは一線を画しているのが本書。アーケードゲームを基軸にその歴史について語っており非常に興味深いです。なお『アーケードTVゲームリスト』も発売されております。

あとどうやら事前告知では「アタリショック」について述べるようですが、それについてはまずはこちらを参照ください。歴史についても述べられており、まとめっております。

さてさて、ここまでは図書館で借りるか、実際に購入するかのどちらかで読んでいただきたいのですが、この金曜日になろうとしている時間帯にそれを言われましても、という方には下記がお勧め。

  • 藤田直樹「米国におけるビデオ・ゲーム産業の形成と急激な崩壊―現代ビデオ・ゲーム産業の形成過程(1)―」(『經濟論叢』162(5-6)、1998) http://hdl.handle.net/2433/45249
  • 藤田直樹「「ファミコン」登場前の日本ビデオ・ゲーム産業―現代ビデオ・ゲーム産業の形成過程(2)―」(『經濟論叢』163(3)、1999) http://hdl.handle.net/2433/45271
  • 藤田直樹「「ファミコン」開発とビデオ・ゲーム産業形成過程の総合的考察―現代ビデオ・ゲーム産業の形成過程(3)―」『經濟論叢』163(5-6)、1999) http://hdl.handle.net/2433/45282

我々はリポジトリの偉大さを実感するわけです。アメリカおよび日本におけるゲーム産業の歴史を経済学の観点から解き明かした論文になります。特に「アタリ・ショック」とは何かといった点などにも踏み込んでおりますので、ぜひご一読ください。

あとファミコンに限定いたしますと下記のサイトもございます。

最後に最近復刊された下記を貼っておわりにします。なお、今回取り上げました文献は私が勝手に列挙しているもので、全く違う話かもしれません。

2010年第2回例会開催のお知らせ(参加登録開始)

本年度2回目の例会を下記の要領で開催いたします。参加登録を事前にしていただくことになります。お手数ですが参加申込フォームよりお申込みください。

—-

第2回例会「ゲーム産業は、いかにして成立しえたのか――アメリカ、日本…草創期に何が生じたのか」

概要:

ゲーム産業の成立要因には、いくつもの謎が隠されている。アメリカでは1980年代前半に、コンピュータ・ゲームのビジネスが崩落(いわゆる「アタリショック」)したのはなぜなのか?なぜ、日本は世界に先んじてゲーム産業を大きく発展させることができたのか?ヨーロッパ、アメリカ、日本、韓国、中国…それぞれの国でゲーム産業が成長した時期に10年以上のズレが生じたのはどうしてなのか?また、インドや、南米などで未だに産業が成立し得ていないのはなぜなのか? こうした問題について統一的な答えはまだない。今回の例会では、これらの疑問にアプローチを試みる、研究者、開発者、在野の研究者などを招きこの問題について考えていきたい。

参加申込フォーム:

http://www.contentshistory.org/event_entry/
当日参加につきましては申込の状況に応じアナウンスさせていただきますので、こまめに学会ウェブサイトをご確認くださいますよう、お願い申し上げます。

日時:

10月23日(土) 13時開場、13時20分開始

場所:

キャンパスイノベーションセンター東京 2F多目的室2 (JR田町駅近く)
http://www.cictokyo.jp/index.html

参加費:

500円(会員は無料)

司会:

吉田正高 (東北芸術工科大学)

発表者:

樺島栄一郎 (相模女子大学)「コンテンツ産業の段階発展理論からみるアタリショック」
米光一成 (立命館大学)「集団創作としてのゲームはどう変わってきたか」
井上明人 (国際大学GLOCOM)「産業形態の地域分化をめぐる仮説構築の試み」

タイムスケジュール

13:20-13:40 趣旨説明
13:40-14:20  樺島栄一郎 (相模女子大学)
14:20-14:30 休憩
14:30-15:10 米光一成 (立命館大学)
15:10-15:50 井上明人 (国際大学GLOCOM)
15:50-16:10 休憩
16:10-16:40 総合討論

2010年大会「拡大するコンテンツ」のお知らせ(第1報)

コンテンツ文化史学会では、来る11月20日(土)、21日(日)に第2回大会「拡大するコンテンツ」を開催いたします。こちらのほうも昨年と同様に事前に参加登録を行います。登録サイトが開設され次第、ご連絡いたします。

—-

○趣旨説明

本学会は2009年度に第1回大会「アマチュア文化とコンテンツの未来」を開催した。この大会では、変貌するコンテンツ制作とその発表の「場」を考えるべく、アマチュアが創作する音楽、ゲーム、ファッションについて精力的考察を行ってきた研究者が成果発表を行った。また、アマチュアのクリエイタ―が創作・交流を行う場を提供している関係者を迎え、パネルディスカッションを開いた。

さらに2010年にはプロとして活躍するコンテンツクリエーターを迎えて、東京国際アニメフェア2010にて、シンポジウム「変容するコンテンツ文化とクリエイター -進化するアニメ、ゲーム、ノベルの可能性-」を開催し、自らを取り巻く制作環境の変遷や創作活動の源泉を聞き、今後のコンテンツ文化の発展の可能性や方向性について議論した。

以上を踏まえて、本学会は「拡大するコンテンツ」と題し、プロ・アマチュアなどを問わず変貌するコンテンツの創作状況や発表・交流の「場」、さらには研究者自身の方法論的問題をテーマとした第2回大会を開催する。同時代的なコンテンツ作品およびそれに関連する文化的状況をいかに分析するか。本大会が、今後のコンテンツ文化史への議論の礎のなることを期待する。

【概要】

○大会テーマ:

「拡大するコンテンツ」

○開催日:

2010年11月20日(土)・21日(日)

○場所:

東京大学工学部2号館93B教室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_18_j.html

○スケジュール

11月20日(土)
<自由論題発表>
10:40-11:10
玉井建也(東京大学)「明治期における本土から見た琉球認識―「豊臣秀頼琉球征伐」をめぐって」

11:10-11:40
中村晋吾(早稲田大学院)「様々なる衣裳、可視化される世界―宮澤賢治「ビヂテリアン大祭」をカーライル「衣裳哲学」から読み解く」

11:40-12:10
大島十二愛(共立女子大学)「新聞記者時代の久留島武彦と子ども向けジャーナル―中央新聞『ホーム』のデジタル化保存と分析を中心に―」

昼休み

<テーマ発表>
13:00-13:30
小山友介(芝浦工業大学)「JRPGの誕生と概念の吟味」

13:30-14:00
七邊信重(東京工業大学)「ボトムアップのコンテンツ制作とビジネスとの連関―PCノベルゲームと家庭用リズムゲームの開発事例から」

休憩

<パネルディスカッション>
14:10-17:30
「大学におけるコンテンツ教育の現状と課題」
・岩谷徹(東京工芸大学ゲーム学科教授)
・岡本美津子(東京芸術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授)
・菅本順一(大阪芸術大学キャラクター造形学科教授)
司会:吉田正高(東北芸術工科大学デザイン工学部メディア・コンテンツデザイン学科准教授)

11月21日(日)
<テーマ発表>
10:30-11:00
山根信二(青山学院大学)「ゲームの研究と教育における大学の戦略」

11:00-11:30
戸田千速(東京大学院)「コンテンツ産業化が進む鉄道産業に関する一考察」

11:30-12:00
堀内淳一(学習院大学)「歴史コンテンツの受容に関する実態調査―「新撰組」コンテンツに関する調査報告」

昼休み

<記念講演>
13:00-14:00
出口弘(東京工業大学)「Visual Narrative Communication Revolution」

休憩

<パネルディスカッション>
14:10-17:30
「メディアミックスの歴史と展望」
・あかほりさとる(作家、脚本家、プロデューサー)
・井上伸一郎(㈱角川書店代表取締役社長)
・松智洋(作家、脚本家)
司会:吉田正高

○2010年コンテンツ文化史学会大会実行委員会

実行委員長:七邊信重(東京工業大学)
委員:井上明人(国際大学)
委員:今井信治(筑波大学院)
委員:大橋正司(東京大学院)
委員:樺島榮一郎(相模女子大学)
委員:こさささこ(クリエーター)
委員:小山友介(芝浦工業大学)
委員:玉井建也(東京大学)
委員:中村仁(東京大学)
委員:中村晋吾(早稲田大学院)
委員:東健太郎(東京大学院)
委員:吉田正高(東北芸術工科大学)

○主催:

コンテンツ文化史学会、エージェントベース社会システム科学研究センター

【鶴岡kibisoブランド認知向上プロジェクト】いよいよ始動!!

なかなかブログ日記を更新できない会長こと
吉田正高です。

どうしても皆さまに告知したいことが
ございまして、ひさびさの
「会長のコンテンツ日記」
更新と相成りました!

昨年度から準備を進めてまいりました
鶴岡市を舞台に、地域振興を目指す
「鶴岡kibisoブランド認知向上プロジェクト」
がいよいよ始まります!!

私は大学側の責任者として参加させて
いただいております。

kibiso(キビソ)とは、蚕が繭を作る時、はじめにだす
糸のことです。鶴岡では明治維新以降、絹織物の
生産が地域を挙げて行われてきましたが、
その副産物として生まれたのが「キビソ」です。

かつては廃棄されていたキビソですが
現在では鶴岡織物工業協同組の皆さまの
御尽力により、希少価値の高い商品として
活用されるまでになってまいりました。

なおキビソの詳細につきましては、
下記のHPをご参照ください。
http://kibiso.jp/muscat2/

本プロジェクトでは、そのような
キビソの魅力を、より多くの方々に
認識していただけるよう、お手伝いを
してまいります。

本プロジェクトでは、

①.地域振興を目的とした映像コンテンツの制作

②.①を用いた地場産業奨励および地域活性化

③.①および②の成果を大学での教育に反映しカリキュラム化

④.③のカリキュラムを通じて、それぞれの地域で
  自主的に活動するコンテンツクリエイターや
  地域プロデューサーを育成する

という展開を目指しております。

現在①の映像コンテンツの完成に向けて、
様々なクリエイターの方々が制作に
携わっております。

■平林勇さん
http://www.hirabayashiisamu.com/

■岩井天志さん

■パンタグラフさん
http://www.pangra.net/

また、コンテンツ制作全体のプロデュースは
東大で仕事していた時代からいろいろ
お世話になっております高山晃さんが率いる
㈱ファンワークスさんが担当してくれております。
http://www.fanworks.co.jp/

上記のような素晴らしいクリエイター、
プロデューサーの皆さんのご協力を
得られまして、もう映像コンテンツに関しては
なにも心配してないという(笑)
素晴らしい状況になっております!!

で、私の役割は、これらの作業過程を
通じて得られる知見を、大学内で
いかに位置づけ、カリキュラム化するのかを
検証することになります。
上記の数字で言えば③と④の部分ですね。

ということで、後期に東北芸術工科大学で
担当する講義の一部を、本プロジェクトに
関連した公開講座として開放していこうと
考えております!
(詳細はまた後日!!)

これまで私が携わってきた研究やプロジェクトとは
大きく異なって見えるかもしれませんが、
「コンテンツの活用」や「研究成果の社会への還元」という
自分自身の大きな目標に対して、
大きな前進となると考えておりますので、
ご協力、ご支援、よろしくお願いいたします!

また、特に若い学生さんで、このような
プロジェクトに興味がある方がいましたら、
吉田までご連絡ください!!

※なお、本件は、経済産業省の
「平成22年度産業技術人材育成支援事業
(地域映像クリエーター等人材育成事業)」
の助成を受けたプロジェクトです。

棚からひとつかみ

前回のブログ更新は8月ですから1ヶ月以上を経ての更新。最近は委員会でも「ブログをもっと更新しましょう」という言葉が機械的に出てくることすらなくなりましたね。皆さん、覚えていますか。会長が「会長のコンテンツ日記」というタグでこのブログを更新していたことを・・・。

さて、そうこうしているうちに季節はめぐって猛暑から一気に秋へとかわりました。その間に色々とコンテンツ関係の著書などが出版され、こちらの業界も盛んになってきたなという感慨があります。少し目に付いたものを書いてみましょう。決して委員会のたびに「最近、何か出てましたよね。書評どうします?」「何かありましたよね」「あー、最近出たあれ。あれですよ」みたいな言葉が交わされるから、その対策とかそういうことはないです。ありません。

デジタルゲームの教科書 知っておくべきゲーム業界最新トレンド

一つ大きな進展であったと考えられるのはこの『デジタルゲームの教科書』(デジタルゲームの教科書制作委員会著、ソフトバンククリエイティブ)でしょう。これまで日本シミュレーション&ゲーミング学会(http://www.jasag.org/)、ゲーム学会(http://www.gameamusementsociety.org/)、日本デジタルゲーム学会(http://www.digrajapan.org/)とそれぞれの学会活動の中で盛り上がってきたゲーム学ですが、そのハンドブック的なものがついに発刊となりました。海外では『Handbook of Computer Game Studies』(http://mitpress.mit.edu/catalog/item/default.asp?ttype=2&tid=10331&mode=toc)が2005年に発刊され、一つの到達点として数え上げられますが、本書もその流れの中に位置づけられるかもしれません。何よりゲーム学としての指針のみならず、ゲーム教育にも大きな影響を与えることになるでしょう。

なおこちらのページにて本書の紹介、参考文献リストや定期的に開催されているustの案内が見られます。

ライトノベルよ、どこへいく―一九八〇年代からゼロ年代まで

続けて山中智省さんの『ライトノベルよ、どこへいく―一九八〇年代からゼロ年代まで』(青弓社)。昨年開催されました本学会第2回例会で発表していただきました山中さんの著作になります。ライトノベルとは何かという問題に真摯に立ち向かい、解き明かしていった山中さんの修士論文を書籍化したものになる・・・のですよね?個人的には80年代以前の前史(と捉えるのかどうか)といったところから語っていただきたかったのですが、それは個人的な興味関心です。

闇のファンタジー (ナイトメア叢書)

そしてその第2回例会つながりで『闇のファンタジー』(青弓社)。一連のナイトメア叢書の1冊になります。といいますか青弓社が続きますね。こちらには昨年の第2回例会でご発表いただきました井上乃武さんの「「語り」の問題性とその向こう側にあるもの――天沢退二郎における二元論の問題」、大島丈志さんの「呪術的世界に生きた「毒もみのすきな署長さん」に関する考察――毒もみを中心とした宮沢賢治作品における罪のあり方をめぐって」という2本の論文が収録されております。個人的に秀逸だったのは表智之さんの「闇はすぐそこにある――諸星大二郎をめぐって」。鳥山石燕らの活動を「妖怪革命」とする香川雅信氏の研究を踏まえて、諸星作品を「妖怪反革命」と位置付けています。実証等の必要性はあるにせよ、かなり興味深い指摘だと思います。そのほか、コンテンツに直接関係してくるものでは、小松史生子「『キノの旅』と『ブギーポップは笑わない』」、大橋崇行「グロテスクな魔女の幻想――『うみねこのなく頃に』」なども収録されております。

また、現在編集中の本学会学会誌4号では前述の山中さん、井上さん、大島さんに論考を依頼し、特集を組むことになっております。ぜひお待ちください。ラノベ好きは必読です。