史学雑誌

この時期、歴史学を専攻している研究者は妙にそわそわしています。もしお近くに歴史学者がいるならば、そばに寄って、そっと耳打ちしてみましょう。

「回顧と展望」

と。

すると嬉々として語り始める人もいれば、斜に構えて語る人もいると思います。それはもう巨人ファンもアンチ巨人ファンも皆、巨人ファンだろうという勢いです。しかし、歴史学以外の学問では全くもって知られていないので説明いたしますと、要は史学会が発行している会誌『史学雑誌』の毎年5月号は前年の「回顧と展望」として、日本史から西洋史・東洋史に至るまで様々な分野で発表された論文を取り上げた短評が掲載されているのです。

この毎年行われる特集号は、賛否両論あるでしょうが、一つにはマニアックな論文誌に掲載された論文までも拾い上げていることもあるので非常に助かります。そしてもう一つには研究者としては取り上げられたら嬉しい。ということでもあります。

しかし、「○○の分野は○○先生が担当だから△△先生の論文は取り上げられていない」としたり顔で語る先輩に遭遇できるのも、この時期の特徴でしょう。大学院にはなぜあのような人が登場するのか不思議でなりませんが・・・。

いや、それはそれとして私も昨年発表した論文のうち2本を取り上げていただきました。探してみてください。ウォーリーより探しにくいです。

http://wwwsoc.nii.ac.jp/hsj/

ハックス!

さて、このブログはブログでだらだらやっているわけですが、研究成果などはブログには発表いたしておりません。ほとんどの研究者の方(主に日本)がそうだとは思いますが、研究成果は学術発表や学術雑誌のペーパーとして発表することになると思います。最近は機関リポジトリが整備されてきたので、紀要レヴェルだとウェブ上でも見ることが出来るようになってきましたが、まだまだですよね。リポジトリにしても一度は紙媒体で発表されているわけですし。(*理系とか社会科学系はどうなのでしょうか?)

と認識不足といった感じですが、いまだに私が専攻している日本史(主に近世史)ではオンラインでの発表に対する不信感が非常に分厚く存在しています。私の出身大学の紀要も、日本史の論文が全てオンライン化されていないのは、著者ご本人が断られたということですし・・・。いや、それはともかくコンテンツ文化史学会でも会誌のオンライン化などは議題としてのぼり、検討をしている段階です。色々と今後展開していくことかと思いますが、よろしくお願いします。

というわけで、学術発表の場、コンテンツ文化史学会の例会が1週間後に近付いて参りました。お時間あるかた、ご興味のある方はぜひともご参加ください。詳細はこちらでご確認ください。

以上、時間があれば『ハックス!』を読み返す玉井でした。あと、珍しくyoutubeの動画を張らないエントリーでした。

ハックス! 1 (アフタヌーンKC)

ハックス! 2 (アフタヌーンKC)

「空の青さは悲しみにも似て」

皆様。
編集やってます。玉井です。
今月の28日(日)に例会が開かれます。こちらのほうに告知されているように例会のタイトルは「コンテンツと場所」です。お手数をおかけして心苦しいのですが事前参加申し込みになっております。せっかくの日曜日ですが、お時間がある方はご参加ください。

とはいえ発表者でありつつも委員でもあるので、裏方としても動いています。とりあえず準備はどのぐらいできた?という質問はなしにしましょう。ありえん。

さて、リフレッシュのためにまたYouTubeをだらだら流すことにましょうか。時は経つのは早いといいますか、櫛引彩香さんが今年デビュー10周年を迎えるそうです。10周年記念のライブに行けなかったのが残念ですが、変わらずに活動しているようですね。

個人的にはこのシングル曲「空」が一番のお気に入り。あとYouTubeにはあがっていませんが「雨のち晴れ」も爽快で良いナンバです。現在はメジャー契約が切れて、インディーズで活動中だということですが今年はミニアルバムを発表しています。

デビュー当時の高野寛やクラムボンら濃いメンバーによって盛り立てられていたとは違い、打ち込みを活用したナンバーがみられるようになっています。とはいえ、基本的なスタンスは変わらないといいますか、より肩の力が抜けた感じになっています。

そういえば昔、ライブに行ったとき、バックコーラスが真城めぐみだったような覚えが・・・。確か「スマイル」を歌おうとして咳き込んでやり直していました。というどうでも良いことを思い出しました。

mush☆room

LOVE

「あの1等星になれるかな?」

前回のエントリーの繰り返しになって恐縮ですが、5月末から6月頭に会員登録をしていただいた方には、会費入金確認後、事務局から会誌を発送していきます。入金確認作業、発送作業という手順を経るため、少しお時間をいただくことになるかと思いますが、ご容赦ください。

というわけで編集担当の玉井です。当座の編集作業がないので、暇そうにしていますが、実は今月末に例会があるのですよ。準備とか色々と・・・。こちらのほうはまたお知らせのエントリーが書かれると思いますので、少しお待ちください。

さて、最近、年を取ってきたと思うときが増えてきまして、そういうこと自体がダメなんだよな、と思うわけですが、10代のときに聞いていた歌手が今でも頑張っているのは非常に励みになります。

同世代の方は「ああー!」という感じでしょうが、その昔、オールナイトニッポンを毎週聞いていました。その「いしのだなつよ」さんが再デビューです。高校生のときは毎週ラジオを聞いていて、上京してからは何回かライブにも行きました。懐かしい。この「一等星」などは今でもiPodでたまに再生しています。確か、彼女は僕と同い年なので、「一等星」の歌詞は10代のときに書いたもの。その稚拙な部分も含めて、直球しか投げられない感じも、あの時は全て受け入れられました。今、アルバムの写真などをみると高校の制服を着ていたりと、何ともまあ若いわけですが・・・いや、当然なのですけれども。

オールナイトニッポン終了後は、kicca(だったかな?)とか色々とバンド活動、インディーズ活動などを経て、「春空 -ハルソラー」で再デビューとなりました。名前も漢字の「石野田奈津代」になっています。あちこちのラジオでヘビーローテーションとなって話題になっているそうで、頑張って欲しいものです。そういえばスキップカウズのボーカルのイマヤスに似ていることを、よくネタにしていましたが・・・今でも?

ひまわり

春空-ハルソラ-

発送と大阪

皆様。
編集担当の玉井です。タイトルは「大阪へ発送」ではありません。

無事に『コンテンツ文化史研究』創刊号が発刊となり、会員の皆様のお手元に届いている頃かと思います。地域によって配送日に違いが出るかもしれませんので、ご容赦ください。また5月31日以降にご入会いただいた方は、入金確認後に事務局から発送していきます。こちらも確認作業などがあるため、タイムラグが発生するかと思いますが、少しお待ちいただければと思います。

さて、皆さん、話はかわりまして、ゲッサンは読まれたでしょうか。私も本屋で買いまして、あずまんが大王のクリアファイルをいただきました。ほくほくです。

しかし、あずまんが!

もはや大阪一色ではないですか!

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「あずまんが大王 補習編 1年生」より。

テレビー!というわけでクリアファイルにもなっていたイラストは大阪が中心に据えられているし、「大阪万博」という本を出すとか書いているし・・・よく考えましたら、その昔「ドキッ!まるごと大阪だらけの1年戦争? 放課後の1年戦争」などもやられていましたし・・・。楽しみに待ちます。

あずまんが大王 (1) (Dengeki comics EX)

あずまんが大王 (2) (Dengeki comics EX)

あずまんが大王 (3) (Dengeki comics EX)

あずまんが大王 (4)  (Dengeki comics EX)

竹林月『ことこと。』

表象としての南の島は何であれほど奇麗に描かれ続けるのだろうかとたまに思ったりします。この『ことこと。』(全4巻、ソフトバンククリエイティブ)という作品は作中でも書かれているように小笠原諸島の一つとして架空に設置された琴古島を舞台にしています。主人公の名前は青子です。琴子ではありません。本土から赴任してきた小学校の先生です。

ことこと。

図1:『ことこと。』1巻扉絵

本島からも離れているので、物資運搬のために船が定期的に行き来しているようですし、風呂はガスで温めているため、ガスが切れると近隣に借りに行っています。小さい、小さいと島民たちは口をそろえて言っておりますが、島には喫茶店もあり、定食屋もあります。ただ、置かれているのは・・・。

図2:『ことこと。』1巻より

図2:『ことこと。』1巻より

雑貨屋は島民が使うとしても、喫茶店は外からの観光客が来るようです・・・。しかし、たまに外からの人がやって来ると大騒ぎになっているのですが、これでは喫茶店はどうやって経営を成り立たせているのでしょうか。

という野暮なことばかり考えていますが、描かれているのは、青い空、白い砂浜、パッションフルート!気のいい島民たち!な南国の島です。南島イメージとしては極めて典型的なものですが、確実に実態を描いていないのでしょうね。枯れ井戸に落ちる回がありましたが、ぜったい蚊に刺されまくりですよ。って『ARIA』を読んだ時も思いました。それはともかく、作品は4巻で終了しました。YAHOOで読めたのですが、単行本が発刊されると読めなくなる仕組みなので、もう買うしかありません。玉井自身がお勧め作品かどうかは別として・・・と含みを持たせて終わります。嫌いではありません。青子センセー目当てで全巻買いましたが何か?

ことこと。‾子と孤島‾ 1巻 Flex Comix

ことこと。~子と孤島~ 2巻 Flex Comix

ことこと。~子と孤島~3 (Flex Comix)

ことこと。~子と孤島~ 4 (Flex Comix)

Last Dance

AIRの活動が終了しました。

というのは、keyが作っているゲームのことではなく車谷浩司の個人ユニットのことです。今年2月11日にリリースされたシングル「Pansy」でもって、その活動が終了いたしました(正確には2月10日に活動中止なのですが)。確かにここ数年、『Best Not Best』、『SINGLES』、そして『Three Cheers For Goodbye』とベスト盤が短いスパンでリリースされ、大丈夫かなと思っておりましたが・・・。というわけで最近はずっとiPodで車谷の活動を個人的に振り返っているわけですが、90年代初頭はBAKUでギターを弾き、

その後は石田小吉(現、石田ショーキチ)とのユニットSpiral Lifeを組み、渋谷系の片隅にいました。

どうでもいいのですが、石田さん、『笑っていいとも』に出演したとき、タモさんと釣りの話しかしていませんでしたよね。懐かしい話ですが、それはともかくスパイラルの活動停止後はAIRへの活動と至るわけですが、初期は非常にグランジというかパンクというかそのようなサウンドであったわけですが、次第にジャジーというかフォークロック?みたいなものへと移行していきました。

特にアルバム『Usual tone of voice』以降、歌詞としてもサウンドとしても非日常性と日常性の融合への姿勢がみられ、『The Bread Of Life』やタワレコ限定発売の『The Bread Of Life2007』の2枚のライブ盤では全編アコースティックによる演奏がなされ、彼自身の立ち位置をある意味で明確に打ち出されていったと思います。そして最後にリリースされた「Pansy」がめっちゃいい曲なのですが!

Pansy

youtubeに上がっていないから、買おう!それはともかく最近の彼の活動はブログ「Laika Came Back」にてうかがうことができます。今後、いつか彼が音楽活動を別のかたちで再開してもらえると思います。ときれいにまとまったところで「Last Dance」のPVを貼っておきます。以上、玉井でした。

あずまんが

皆様。

しばらく書かない間に会長が更新しているので、ほっとしている編集担当の玉井です。これで私はブログ専属ではありません。

さて、最近驚いたのは「シンゴー!シンゴー!」もありますが、個人的には『あずまんが大王』が復活するというニュースです。それまで序ノ口譲二として活動したりパイオニアのLDのおまけマンガを描いていたりしたあずまきよひこが一気にスターダムにのし上がった作品なわけですが、もう10年も前になるのですね。時が経つのは早いもので、気が付いたら4コマ漫画家から脱却し『よつばと!』というストーリー漫画を描くようになっているわけです。

しかも、ただ新装版で再発売するわけではなく、描き下ろし漫画がついてくるという・・・。それまでのオタク的な作風を『よつばと!』で脱却したあずまきよひこが、どのようにあずまんがを描くのでしょうか。非常に楽しみです。ただ、掲載誌が『電撃大王』ではなく『ゲッサン』なので、『あずまんがゲッサン』にはならないでしょうが・・・。最後にアニメのMADでも貼っておきましょう。

『ゲッサン』には描き下ろしが少し掲載されるそうですが、どんな話になるのでしょうか。ともちゃんのかわりに代返を頼まれる大阪ぐらいなら想像ができますが、就活する大阪とか、そういう成長を見せてくれるのでしょうか。

ハンキー・パンキー

皆様。

ブログ担当ではなく、編集担当の玉井です。

またまたライブの話ですが、先月、黒沢健一のライブに行ってまいりました。久方ぶりに見た黒沢健一はいたって元気で、彼の精神的な闇も取り払われたのでしょうか。L⇔Rの名曲「LimeLight」で「僕は消えていく」「何も変わらないさ、声も届かないさ」と歌ったあの時に彼の紡ぎ出す歌詞がひたすらダークネスになっていったことに戸惑いを覚え、L⇔Rとしては今のところ最後にして最新アルバム『Doubt』がそれまでLとRをもじったタイトルから脱却してことにも戸惑いを覚え、そうこうしているうちに活動停止となりました。

ソロ活動後も、「同じフレーズでもって、冷たい時間に寄り添って」「全体的に引用だらけのことにどうにも腹が立つ」といった言葉を散りばめた「Pale Ale」を発表するなど、彼の底知れぬダークサイドに、最早、こういうスタンスなのだろうと理解をしていたことも事実です。

話はずれますが、上記の動画MOTOR WORKSのライブ映像ですね。黒沢健一、石田ショーキチ、田村明浩(Spitz)、ホリノブヨシといった豪華メンバーで結成されたバンドです。あとオタク的にはこの曲を『HUNTER×HUNTER』OVAの主題歌としても認識されている人もいるかと思います・・・。

で、そういう感じだった黒沢健一が、いきなり『Focus』という最新アルバム1曲目の「Grow」で、「静か過ぎるこの闇の向こうに何かを探すつもりさ」と歌い上げ、『とくダネ!』では懐かしsongとして取り上げられた「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」を歌い、挙句には弟の黒沢秀樹と一緒にパンダになって頑張ってますよ!

In touch with Hanky Panky

一体全体・・・そしてパンダ?と呟いてしまいますが、ファンにとっては活動の幅が広がっているのは喜ばしいことです。ハンキー・パンキーのアルバムはオールディーズを今の黒沢兄弟が取り込んで吐き出した感じで、完成度が高く仕上がっています。ちなみに3月の「Focus」ツアーですが、L⇔Rの曲から最新のソロのナンバーまで彼自身の集大成のようなライブでした。ライブの客層もまあ、昔ながらのファンが多いためか、「Land of Riches」での一体感は見事という他なく、黒沢健一本人に「よく覚えてるねー」とか言われている始末。もう15年も経ちます。

ベテランですね。

桜の花、舞い上がる道を

皆様。

「世界はコンテンツ文化史ではない」兼編集担当の玉井です。

昨日、武道館にて行われましたエレファントカシマシのライブ「桜の花舞い上がる武道館」に行ってまいりました。季節柄、既に武道館周囲の桜は葉桜で蚊が飛び交う状況でしたが、気温はぐんぐん上昇し、絶好のライブ日和だったのではないでしょうか。何をもってライブに適するのかというのは分かりません。雨でも屋内なので関係ないでしょうが。

ここ数年のエレカシの活動は目を見張るものがありまして、何よりメディアへの露出の多さを指摘することができます。10年以上前になりますが、「悲しみの果て」や「今宵の月のように」などを筆頭としたヒット曲によって、様々なテレビ番組に出演し、ボーカル宮本浩次の奇行が世にさらけ出されました。その後、彼自身のダウナーな環境と精神によって、リリースされるアルバムもそれと連動するような楽曲が並んでいたのですが、それは同時に宮本自身のテンションの上昇とともに楽曲内容も前向きなものに変化していくことも示しています。もちろん、それを支える事務所やレコード会社の存在があってこそなのでしょうし、テレビ等のメディアのみで切り取ると2007年にリリースされた「俺たちの明日」で突然、エレカシが復活を果たしたと理解し得てしまいます。


エレファントカシマシ – 俺たちの明日

『町を見下ろす丘』などの楽曲を経て、そして様々なアレンジャーやプロデューサーを迎え入れることによって、ここ数年のエレカシの活動があり、それによって宮本自身のテンションがスムーズに楽曲に反映されることになっているのではないでしょうか。しかし、やはり最近のライブでの宮本の「もう40過ぎてしまったけど、30代の時の様々な出来事があったにも関わらずこうして何とかやっていけているってのは、結局、何とかなるもんだ」といった趣旨の発言(要約すると「どーんと行きましょう」となる)などを聞いていると根底には彼自身の気持ちの変化が感じられます。


エレファントカシマシ – 流れ星のやうな人生(『町を見下ろす丘』所収)

そんな中で行われた武道館ライブ。やはり日本のロックミュージシャンにとって武道館という場所は非常に重要なものであるようで、エレカシ自身も今月末にリリースされるアルバムを引っさげてのツアーがあるにも関わらず、日程的に近いこの時期に開催され、宮本自身もMCで「待ちに待った」と表現していました。そして内容もデビューから直近に至るまでのエレカシ集大成的な内容になっており、若い頃の楽曲からヒット曲、お馴染みの曲、最新シングルと盛りだくさんな内容になったことも彼らのこのライブにかける意気込みが感じらるかと思います。さらには「いっぱい練習しました」というように完成度の高い演奏とストリングスを導入したライブと彼らの気合いの高さが随所に存在しました。


エレファントカシマシ – はじまりは今

個人的には四月なので「四月の風」だろうとか、「はじまりは今」はやらないのか!と思うこともありましたし、ライブではおなじみの「ガストロンジャー」もない・・・と言ったことも頭に浮かびましたが、それはそれ。とりあえずここまで書いてきましたが、要は4月29日にニューアルバムが発売されるんだぜエブリバデということを書きたかったわけです。

昇れる太陽(初回限定盤)(DVD付)
エレファントカシマシ 『昇れる太陽』