竹林月『ことこと。』

表象としての南の島は何であれほど奇麗に描かれ続けるのだろうかとたまに思ったりします。この『ことこと。』(全4巻、ソフトバンククリエイティブ)という作品は作中でも書かれているように小笠原諸島の一つとして架空に設置された琴古島を舞台にしています。主人公の名前は青子です。琴子ではありません。本土から赴任してきた小学校の先生です。

ことこと。

図1:『ことこと。』1巻扉絵

本島からも離れているので、物資運搬のために船が定期的に行き来しているようですし、風呂はガスで温めているため、ガスが切れると近隣に借りに行っています。小さい、小さいと島民たちは口をそろえて言っておりますが、島には喫茶店もあり、定食屋もあります。ただ、置かれているのは・・・。

図2:『ことこと。』1巻より

図2:『ことこと。』1巻より

雑貨屋は島民が使うとしても、喫茶店は外からの観光客が来るようです・・・。しかし、たまに外からの人がやって来ると大騒ぎになっているのですが、これでは喫茶店はどうやって経営を成り立たせているのでしょうか。

という野暮なことばかり考えていますが、描かれているのは、青い空、白い砂浜、パッションフルート!気のいい島民たち!な南国の島です。南島イメージとしては極めて典型的なものですが、確実に実態を描いていないのでしょうね。枯れ井戸に落ちる回がありましたが、ぜったい蚊に刺されまくりですよ。って『ARIA』を読んだ時も思いました。それはともかく、作品は4巻で終了しました。YAHOOで読めたのですが、単行本が発刊されると読めなくなる仕組みなので、もう買うしかありません。玉井自身がお勧め作品かどうかは別として・・・と含みを持たせて終わります。嫌いではありません。青子センセー目当てで全巻買いましたが何か?

ことこと。‾子と孤島‾ 1巻 Flex Comix

ことこと。~子と孤島~ 2巻 Flex Comix

ことこと。~子と孤島~3 (Flex Comix)

ことこと。~子と孤島~ 4 (Flex Comix)

Last Dance

AIRの活動が終了しました。

というのは、keyが作っているゲームのことではなく車谷浩司の個人ユニットのことです。今年2月11日にリリースされたシングル「Pansy」でもって、その活動が終了いたしました(正確には2月10日に活動中止なのですが)。確かにここ数年、『Best Not Best』、『SINGLES』、そして『Three Cheers For Goodbye』とベスト盤が短いスパンでリリースされ、大丈夫かなと思っておりましたが・・・。というわけで最近はずっとiPodで車谷の活動を個人的に振り返っているわけですが、90年代初頭はBAKUでギターを弾き、

その後は石田小吉(現、石田ショーキチ)とのユニットSpiral Lifeを組み、渋谷系の片隅にいました。

どうでもいいのですが、石田さん、『笑っていいとも』に出演したとき、タモさんと釣りの話しかしていませんでしたよね。懐かしい話ですが、それはともかくスパイラルの活動停止後はAIRへの活動と至るわけですが、初期は非常にグランジというかパンクというかそのようなサウンドであったわけですが、次第にジャジーというかフォークロック?みたいなものへと移行していきました。

特にアルバム『Usual tone of voice』以降、歌詞としてもサウンドとしても非日常性と日常性の融合への姿勢がみられ、『The Bread Of Life』やタワレコ限定発売の『The Bread Of Life2007』の2枚のライブ盤では全編アコースティックによる演奏がなされ、彼自身の立ち位置をある意味で明確に打ち出されていったと思います。そして最後にリリースされた「Pansy」がめっちゃいい曲なのですが!

Pansy

youtubeに上がっていないから、買おう!それはともかく最近の彼の活動はブログ「Laika Came Back」にてうかがうことができます。今後、いつか彼が音楽活動を別のかたちで再開してもらえると思います。ときれいにまとまったところで「Last Dance」のPVを貼っておきます。以上、玉井でした。

会誌が遅れております。

皆様。

編集を担当しております玉井です。

4月中に発行を予定しておりました会誌『コンテンツ文化史研究』創刊号ですが、諸般の事情により遅れております。会員の皆様にはご迷惑をおかけしており大変申し訳ありません。5月中の発行を目指し、編集作業などを進めているところです。なにとぞご了解いただきますようお願い申し上げます。

会誌バックナンバー

なお、現在、会員登録をしていただけると会誌発行と同時に発送が可能になります。もし、ご興味がございましたら、せひともよろしくお願いいたします。

入会案内

あずまんが

皆様。

しばらく書かない間に会長が更新しているので、ほっとしている編集担当の玉井です。これで私はブログ専属ではありません。

さて、最近驚いたのは「シンゴー!シンゴー!」もありますが、個人的には『あずまんが大王』が復活するというニュースです。それまで序ノ口譲二として活動したりパイオニアのLDのおまけマンガを描いていたりしたあずまきよひこが一気にスターダムにのし上がった作品なわけですが、もう10年も前になるのですね。時が経つのは早いもので、気が付いたら4コマ漫画家から脱却し『よつばと!』というストーリー漫画を描くようになっているわけです。

しかも、ただ新装版で再発売するわけではなく、描き下ろし漫画がついてくるという・・・。それまでのオタク的な作風を『よつばと!』で脱却したあずまきよひこが、どのようにあずまんがを描くのでしょうか。非常に楽しみです。ただ、掲載誌が『電撃大王』ではなく『ゲッサン』なので、『あずまんがゲッサン』にはならないでしょうが・・・。最後にアニメのMADでも貼っておきましょう。

『ゲッサン』には描き下ろしが少し掲載されるそうですが、どんな話になるのでしょうか。ともちゃんのかわりに代返を頼まれる大阪ぐらいなら想像ができますが、就活する大阪とか、そういう成長を見せてくれるのでしょうか。

ハンキー・パンキー

皆様。

ブログ担当ではなく、編集担当の玉井です。

またまたライブの話ですが、先月、黒沢健一のライブに行ってまいりました。久方ぶりに見た黒沢健一はいたって元気で、彼の精神的な闇も取り払われたのでしょうか。L⇔Rの名曲「LimeLight」で「僕は消えていく」「何も変わらないさ、声も届かないさ」と歌ったあの時に彼の紡ぎ出す歌詞がひたすらダークネスになっていったことに戸惑いを覚え、L⇔Rとしては今のところ最後にして最新アルバム『Doubt』がそれまでLとRをもじったタイトルから脱却してことにも戸惑いを覚え、そうこうしているうちに活動停止となりました。

ソロ活動後も、「同じフレーズでもって、冷たい時間に寄り添って」「全体的に引用だらけのことにどうにも腹が立つ」といった言葉を散りばめた「Pale Ale」を発表するなど、彼の底知れぬダークサイドに、最早、こういうスタンスなのだろうと理解をしていたことも事実です。

話はずれますが、上記の動画MOTOR WORKSのライブ映像ですね。黒沢健一、石田ショーキチ、田村明浩(Spitz)、ホリノブヨシといった豪華メンバーで結成されたバンドです。あとオタク的にはこの曲を『HUNTER×HUNTER』OVAの主題歌としても認識されている人もいるかと思います・・・。

で、そういう感じだった黒沢健一が、いきなり『Focus』という最新アルバム1曲目の「Grow」で、「静か過ぎるこの闇の向こうに何かを探すつもりさ」と歌い上げ、『とくダネ!』では懐かしsongとして取り上げられた「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」を歌い、挙句には弟の黒沢秀樹と一緒にパンダになって頑張ってますよ!

In touch with Hanky Panky

一体全体・・・そしてパンダ?と呟いてしまいますが、ファンにとっては活動の幅が広がっているのは喜ばしいことです。ハンキー・パンキーのアルバムはオールディーズを今の黒沢兄弟が取り込んで吐き出した感じで、完成度が高く仕上がっています。ちなみに3月の「Focus」ツアーですが、L⇔Rの曲から最新のソロのナンバーまで彼自身の集大成のようなライブでした。ライブの客層もまあ、昔ながらのファンが多いためか、「Land of Riches」での一体感は見事という他なく、黒沢健一本人に「よく覚えてるねー」とか言われている始末。もう15年も経ちます。

ベテランですね。

IGDA日本 同人・インディーゲーム部会第1回研究会

皆様。

ブログ兼編集担当の玉井です。本会事務局長の七邊さんからIGDA日本の情報をいただきました。皆さん、ぜひご参加ください。今後も関連学会の情報などを掲載していくつもりです。

IGDA日本 同人・インディーゲーム部会(SIG-Indie)第1回研究会
「同人・インディーゲーム開発の現状と課題」

http://www.igda.jp/modules/news/article.php?storyid=1633

IGDA日本(国際ゲーム開発者協会日本) 同人・インディーゲーム部会(SIG-Indie)は、第1回研究会を2009年5月2日(土)に開催いたします。この部会は、同人・インディーゲームの開発をテーマにしたIGDA日本の中に新たに設立される研究部会(SIG)です。

同人・インディーゲームの開発の入り口はどのように変化してきたか、現在のゲーム開発の問題はどのようなものか、またそのための対策はどういったものかなどについて、
フリーゲーム、同人動的ゲーム、同人ノベルゲームの代表的な開発者の方による講演会と討論会を行います。

講演者として、現在の同人・インディーゲームのトレンドを引っ張ってこられた方のご参加を頂きます。同人・インディーゲームの現状と課題に関心のある多くの皆さまのご参加をお待ちしております。

<概要>

  • 日時 :2009年5月2日(土) 13:30-17:20 (受付時間13:00-14:20)
  • 定員 :180名
  • 参加費:研究会のみ 1,500円(入場券チケットを購入して下さい)

研究会および懇親会の両方に参加 4,500円
(全席自由チケットを購入して下さい)

※チケットの販売開始は、4/20頃から「e+」というチケット販売代理システムを利用して行います。販売開始の情報は開始次第お知らせします。詳しくは、IGDA日本のページをご覧下さい。
http://www.igda.jp/

◎プログラム(変更の可能性あり)

第1部 (司会:小山友介[芝浦工業大学])

13:30 – 13:35
文京学院大学 コンテンツ多言語知財化センター
「本学 コンテンツ多言語知財化センターの取り組み」

13:35 – 13:45
新清士 (IGDA日本)
「IGDA日本とSIG-Indieの展開について」

13:45 – 14:10
七邊信重 (東京工業大学)
「同人・インディーゲーム――もう一つのプラットフォーム」

<休憩>

第2部 (司会:七邊信重[東京工業大学])

14:20 – 14:50
長健太 (ABA Games)
http://www.asahi-net.or.jp/~cs8k-cyu/
「フリーゲームにまつわる幸せなエコシステム」

14:50 – 15:20
渡辺訓章 (kuni-soft)
http://www.din.or.jp/~ku_/index.htm
「ゆとり開発 ~普通の場所でのゲーム作り~」

15:20 – 15:50
藤崎豊 (フランスパン)
http://www13.plala.or.jp/french/french_index.htm
「同人ゲームサークルの1プログラマとしての過去・現在・未来」

15:50 – 16:20
片岡とも (ステージなな)
http://stage-nana.sakura.ne.jp/
「同人と商業の境界」

<休憩>

第3部 (司会:三宅陽一郎[フロムソフトウェア])

16:30 – 17:20
ディスカッション

18:00 – 20:00
懇親会
※懇親会の会場である本郷3丁目まで徒歩で20分ほどかかります。

桜の花、舞い上がる道を

皆様。

「世界はコンテンツ文化史ではない」兼編集担当の玉井です。

昨日、武道館にて行われましたエレファントカシマシのライブ「桜の花舞い上がる武道館」に行ってまいりました。季節柄、既に武道館周囲の桜は葉桜で蚊が飛び交う状況でしたが、気温はぐんぐん上昇し、絶好のライブ日和だったのではないでしょうか。何をもってライブに適するのかというのは分かりません。雨でも屋内なので関係ないでしょうが。

ここ数年のエレカシの活動は目を見張るものがありまして、何よりメディアへの露出の多さを指摘することができます。10年以上前になりますが、「悲しみの果て」や「今宵の月のように」などを筆頭としたヒット曲によって、様々なテレビ番組に出演し、ボーカル宮本浩次の奇行が世にさらけ出されました。その後、彼自身のダウナーな環境と精神によって、リリースされるアルバムもそれと連動するような楽曲が並んでいたのですが、それは同時に宮本自身のテンションの上昇とともに楽曲内容も前向きなものに変化していくことも示しています。もちろん、それを支える事務所やレコード会社の存在があってこそなのでしょうし、テレビ等のメディアのみで切り取ると2007年にリリースされた「俺たちの明日」で突然、エレカシが復活を果たしたと理解し得てしまいます。


エレファントカシマシ – 俺たちの明日

『町を見下ろす丘』などの楽曲を経て、そして様々なアレンジャーやプロデューサーを迎え入れることによって、ここ数年のエレカシの活動があり、それによって宮本自身のテンションがスムーズに楽曲に反映されることになっているのではないでしょうか。しかし、やはり最近のライブでの宮本の「もう40過ぎてしまったけど、30代の時の様々な出来事があったにも関わらずこうして何とかやっていけているってのは、結局、何とかなるもんだ」といった趣旨の発言(要約すると「どーんと行きましょう」となる)などを聞いていると根底には彼自身の気持ちの変化が感じられます。


エレファントカシマシ – 流れ星のやうな人生(『町を見下ろす丘』所収)

そんな中で行われた武道館ライブ。やはり日本のロックミュージシャンにとって武道館という場所は非常に重要なものであるようで、エレカシ自身も今月末にリリースされるアルバムを引っさげてのツアーがあるにも関わらず、日程的に近いこの時期に開催され、宮本自身もMCで「待ちに待った」と表現していました。そして内容もデビューから直近に至るまでのエレカシ集大成的な内容になっており、若い頃の楽曲からヒット曲、お馴染みの曲、最新シングルと盛りだくさんな内容になったことも彼らのこのライブにかける意気込みが感じらるかと思います。さらには「いっぱい練習しました」というように完成度の高い演奏とストリングスを導入したライブと彼らの気合いの高さが随所に存在しました。


エレファントカシマシ – はじまりは今

個人的には四月なので「四月の風」だろうとか、「はじまりは今」はやらないのか!と思うこともありましたし、ライブではおなじみの「ガストロンジャー」もない・・・と言ったことも頭に浮かびましたが、それはそれ。とりあえずここまで書いてきましたが、要は4月29日にニューアルバムが発売されるんだぜエブリバデということを書きたかったわけです。

昇れる太陽(初回限定盤)(DVD付)
エレファントカシマシ 『昇れる太陽』

春ちゃん

会長よりも先にブログの更新を続ける編集担当の玉井です。

会長も今後何か書いていくらしいのですが、とりあえず肩の力が抜けた更新を不定期にし続けようと思います。

タイトルは「世界はコンテンツ文化史ではない」です。「そしてそれ故に・・・」とか続くかどうかは心に留めておきます。とりあえずタグにしておきましょう。会長も固有のタグを作れば良いと思います。

さて、最近、NHKの「ニュースウォッチ9」のお天気コーナーにて春をキャラクター化した「春ちゃん」が放送され人気です。いや、人気かどうか知りませんけど、一部で人気です。冬をキャラクター化したのは「冬将軍」です。西高東低の冬型の気圧配置になると冬将軍に春ちゃんは雪まみれにされています。かわいそう。

pixivなどを見ていると色々と食いついている人がいるのですね。

食いついているのは、お前だろうという話もありますが。ブログはこんな感じで更新していきます。

会誌は鋭意編集中です。

皆様。はじめまして。

会長より先にブログの更新をいたします。編集を担当しております玉井です。

現在、創刊号を今月末の発行を目指して編集中です。遅れないように鋭意努力を重ねているところです。出来るだけ早く皆様にお届けできるようにいたしますので、ご興味を持たれている方も、そうでない方もいま少しお待ちください。

 

創刊号の目次です。