大会が終わり、コミケへ

皆様。2013年大会は大変お疲れさまでした。下記のtogetterにその一端がまとめられております。つぶやきですので、ほんの一部でしかありません。これで当日の話の文脈まで読めませんので、ご注意ください。

http://togetter.com/li/600056

http://togetter.com/li/600576

また、ファミ通さんにも取り上げていただきました。まことにありがとうございます。

http://www.famitsu.com/news/201312/27045576.html

それにしても会場の東海大学高輪キャンパスは綺麗でしたね。夜はイルミネーションが目立っておりました。

夜の風景を撮影しておりませんが…今回、参加できなかった方は来年にぜひお会いしましょう。例会・大会と開催したします!そして明日はコミケ3日目。コンテンツ文化史学会もサークル参加いたします。

http://www.contentshistory.org/2013/12/19/1414/

場所は西 も – 09 aです。特に新刊ありません!数時間後には起きて、出発です。参加される方はぜひお寄りください。それでは良いお年を!

コミックマーケット85参加のお知らせ

下記の要領でコミックマーケット85に参加いたします。お近くに御寄りの際は足をお運びください。

【日  時】 2013年12月31日(火)
【場  所】 東京ビッグサイト
【サークル名】 コンテンツ文化史学会
【配  置】 西地区 も – 09 a
【頒 布 物】 『コンテンツ文化史研究』2・3・4・5・6・7・8号、2012・2013年大会予稿集
【価  格】 『コンテンツ文化史研究』各2000円(一部値下げ!)、予稿集500円

「<連続シンポジウム>マンガのアルケオロジー2 マンガ研究とアーカイブ 」のお知らせ

文化庁メディア芸術コンソーシアム構築事業様より下記のシンポジウムのご連絡をいただきました。こちらのシンポジウムに関するご連絡は本学会ではなく、下記のサイトおよび主催団体にお願いいたします。

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<連続シンポジウム>マンガのアルケオロジー2 マンガ研究とアーカイブ

[日時]2014年1月26日(日)13~17時 / 開場 12時30分

(入場無料・要事前申込)

[場所]政策研究大学院大学1A会議室(東京都港区六本木7丁目22-1)

[プログラム]
<第1部>
13:00~13:05 開会の挨拶 文化庁

13:05~13:15 連続シンポジウムについて
夏目房之介 (マンガ・コラムニスト/学習院大学大学院教授)

13:15~13:55 講演「マンガ研究とアーカイブ」
清水勲 (京都国際マンガミュージアム研究顧問/日本仏学史学会会長)

14:00~15:00 プレゼンテーション「マンガ収蔵の現状・事例報告」
吉村和真(京都精華大学教授)
宮本大人(明治大学准教授)
表智之(北九州市漫画ミュージアム専門研究員)
佐々木果(まんが編集者/学習院大学大学院非常勤講師)

15:00~15:20 休憩(20分)

<第2部>
15:20~16:30 討議「マンガ・アーカイブの意義と課題」
表智之、佐々木果、宮本大人、吉村和真
16:30~17:00 質疑応答

[主催]文化庁 平成25年度メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業

http://mediag.jp/project/project/archive.html

●サイトもしくはFAXにてお申し込み下さいますようお願い申し上げます。

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キャラクター大会に向けて その5「ゆるキャラのどこが面白いんだ?」

にゃんぱすー(挨拶)

もうあと数日になりました。2013年キャラクター大会へのご参加を検討されている方はぜひ参加登録サイトから必要事項をご記入の上、送信ボタンを押してください。

さて、私は通勤途中にラジオをよく聞いてradikoやpodcastなど諸々活用しているのですが、先日の爆笑問題カーボーイを聞いていましたら、太田光が「ゆるキャラのどこが面白いのかわからない」という旨を述べていました。彼が述べていた根拠は「喋らない(テレビ的にアウト)」、「こちらが殴る等のアプローチをしなければならない(ワンパターンに陥る)」、「動けない(つまらない)」、「大きい(テレビの舞台裏は狭いから邪魔)」というものであったかと思います。

テレビ文化に生きるタレントとしての彼の意見は個人的には頷ける面もあるかと思っていますが、ゆるキャラ好きの人からすれば、彼が列挙した根拠は首肯できないものかもしれません。ともすれば、「だから良いんじゃないか」となりうるでしょう。何よりゆるキャラとされる存在は彼が欠点として挙げた点を売りにしている面があることも事実です。では、なぜ齟齬が生まれているのか。

一つには大きく文脈が違うという点があるでしょう。テレビメディアにおいて発声が出来ないゆるキャラは他の出演者が引き立て役になる必要があります。そのため共演者の労力が通常よりも大きくなり、厭われるというのは良く分かります。それに対し、ゆるキャラはご当地キャラや企業などのイメージ性を請け負って存在しているという文脈、さらにいえば物語性を内包しており、その出自がテレビ文化に溶け込むための身体性などを所持することを許さないわけです。あ、なお、ふなっしーはお笑い芸人枠です。あの妖精のせいでスギちゃんが確保していた笑っていいともの枠が一つ失われました。

スギちゃんには頑張っていただきたいわけですが(棒読み)、もう一つとして良く挙げられるのはゆるキャラが乱立しすぎるという点でしょう。数少ないゆるキャラに関する論文である平林千春「ソーシャルコンテンツによる地域活性化戦略の手法とその検証」(『東北芸術工科大学紀要』20号、2013年)では、「ソーシャルコンテンツ」を「「地域から誕生・発信され、地域活性化の媒介・ツール・シンボルとして、その地域の人々に需要・活用されているエンターテイメント性を有した精神文化の所産」(52p)と定義しています。つまりゆるキャラだけではなく、ご当地ヒーローやB級グルメなども含むことになります。この論文では、上手くいかないゆるキャラに対し「ただキャラクター化すればいいということではなく、プロモーションも含めて地域活性化戦略としてトータルにマネージメントされる必要性を垣間見せている。多くの成功したソーシャルコンテンツはそのコンテンツの質もあるが、むしろどういう浸透策を採ったかということが無視できない」(54p)と述べています。

要は作ればいいというわけではない、ということです。この点はコンテンツツーリズムにも同様に言えまして、作品の舞台になり、物語性が生まれれば、勝手に動き出す、などという甘い妄想が意外に頑迷と存在しております。せめて、井手口彰典先生の論文「萌える地域振興の行方. -「萌えおこし」の可能性とその課題について-」ぐらいは読んで考えてから、聞きに来てください、と言いたい。以上、実体験に基づく愚痴でした。井手口先生の論文はこちらでpdfにて読めますのでぜひ。

というわけで何述べたいかといいますと、初日のシンポジウムは参加者の皆さんで色々と考えましょうということです。建設的なご意見をお待ちしています。

アニメ・マンガで地域振興

n次創作観光 アニメ聖地巡礼/コンテンツツーリズム/観光社会学の可能性

キャラクター大会に向けて その4(俺ガイル!)

キャラクター大会が近づいてまいりました。今週末になります。ご参加を検討中の方はぜひともご登録をお願いいたします。参加費の値下げもいたしまして、学生さんは無料になりました。

さて、今回はキャラクターというのが一つのテーマですが、皆さんがイメージするのはどのようなものがあるでしょうか。シンポで取り上げる「ゆるキャラ」を筆頭とした地域や団体、組織のキャラクターというのも一つあるでしょう。2日目のシンポで取り上げますゲームや絵本、マンガで描かれるキャラクターというのも考えられます。

しかし、このようにメディアに表出されるキャラクターのみが着目すべき点でしょうか。今回、2日目の初回で発表していただく七邊信重さんの発表「「社会関係の拒絶」か「再帰的関係」か―コンテンツに見る「優しい関係」の出口―」では、渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』などを取り上げるそうです。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8 イラスト集付き限定特装版 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。第6巻 (初回限定版) [Blu-ray]

この作品はアニメ化・ゲーム化もされ、マンガ連載も進んでおりますので、ご存知の方も多いでしょうが、簡単にあらすじを説明しますと高校進学直後に交通事故にあい、入院していたため、友人ができないままの主人公八幡は「ぼっち」であることを指標していたが、それに対し教員により無理やり奉仕部に入部され、人付き合いの苦手な才女や友達作り(及び維持)に長けた少女、中二病全開のオタク…とデフォルメされているキャラクター群による学校生活が描かれています。個人的には『あやかしがたり』が日本史学の成果と妖怪物とを融合させた見事な作品であったために、『俺ガイル』が出てきたときは既視感満載の設定に頭を抱えたものでした。が、実力のある作家はそのような既視感も取っ払うことが出来るものだと感心したことも覚えています。「オリジナル」なんてものは既に存在しないので、この世には既視感しかないのですよ、という意見もあるかもしれません。

さておき、話をキャラクターに戻しますと、別にデフォルメされたキャラクターが魅力的だという話に帰着するわけではありません。もちろんデフォルメされているがゆえに非常にクリアに作中で描かれる情景が伝わってくるため「お前は俺か」と思う読者も多いでしょう。ちなみに私の好きなキャラは平塚先生です(さりげないフォロー)。ここで着目したいのは作中で描かれている若者たちが形成する人間関係、さらに言えばスクールカーストに関してです。

実はこのような学校制度内における若者自身のアイデンティティ形成や人間関係という問題はキャラクター研究でも非常に重視されています。2日目のシンポジウムにご登壇いただく、あいはらひろゆきさんは『キャラ化するニッポン』(相原博之名義)でも、この問題を取り上げており、若者のみならず現代において社会生活をする人々が如何に自らをキャラ化しているのかについて述べております。学校制度内に目を向けますと『キャラ化する/される子どもたち』(土井隆義)でも、過剰なほどに依存される関係性に着目をしております。さらに本学会学会誌にもご寄稿いただきました浅野智彦さんは若者全体に目を向けて、消費やコミュニケーションの問題を同時代的に取り上げて着目しています(『「若者」とは誰か: アイデンティティの30年』)。特に専門ではありませんので目についた著作をざっとめくっただけでも、学校制度内におけるスクールカーストや過剰なほど求められる人間関係、もしくはコミュニケーション不全が問題として認識される社会状況が既に存在することが理解できるのではないでしょうか。

もちろん、これは世代や個人、地域性によってかなり変化する問題だと思います。大学で教えていると学校によっては高校生までの生活を引きずっているのかスクールカーストが見事に形成されていたり、まったく気にせずにアニメの話をしている学生を見たり、と千差万別かもしれません。先日、授業で聞いたら、10代の学生があまり『俺ガイル』を読んでいない様子でしたので、驚きました…。共感しうる世代も違うのかもしれません。平塚先生、がんばってください。いや、渡航先生、がんばってください。

と、つらつらと書いてまいりましたが、七邊さんがこのような話をするかはわかりません。そもそも「自由論題」の枠組みで応募されていますし…当日をお楽しみに。

キャラ化するニッポン (講談社現代新書)

キャラ化する/される子どもたち―排除型社会における新たな人間像 (岩波ブックレット)

「若者」とは誰か: アイデンティティの30年 (河出ブックス 61)

キャラクター大会に向けて その3(値下げしました!)

今週末に本学会2013年大会「キャラクターを作る/動かす/考える」が開催されます。毎年、会場費を支払う関係で、参加費を参加者の皆さまからいただいているのですが、実行委員長をしている私は「少し高いのではないだろうか」と少し懸念しておりました。そこで今年は再計算をし、少し値下げを敢行いたしました。こちらの参加登録サイトに掲示しておりますが、具体的にかきますと

非会員・両日:3000円 → 2000円
非会員・1日のみ:2000円 → 1000円
会員:1000円(両日・1日のみともに) → 500円
学生(非会員1000円、会員500円、ともに両日参加可能) → 全て無料。両日参加可能!

となります。ポイントは学生さんは無料という点です。学生に戻りたい。学生さんは遠慮なくご参加ください。学生であれば学校の種別や学校名は問いません。過去の参加者で一番若いのは中学生の方でした。超高校級ですね!というわけで引き続き、皆様のご参加をお待ちしております。