皆様。
「世界はコンテンツ文化史ではない」兼編集担当の玉井です。
昨日、武道館にて行われましたエレファントカシマシのライブ「桜の花舞い上がる武道館」に行ってまいりました。季節柄、既に武道館周囲の桜は葉桜で蚊が飛び交う状況でしたが、気温はぐんぐん上昇し、絶好のライブ日和だったのではないでしょうか。何をもってライブに適するのかというのは分かりません。雨でも屋内なので関係ないでしょうが。
ここ数年のエレカシの活動は目を見張るものがありまして、何よりメディアへの露出の多さを指摘することができます。10年以上前になりますが、「悲しみの果て」や「今宵の月のように」などを筆頭としたヒット曲によって、様々なテレビ番組に出演し、ボーカル宮本浩次の奇行が世にさらけ出されました。その後、彼自身のダウナーな環境と精神によって、リリースされるアルバムもそれと連動するような楽曲が並んでいたのですが、それは同時に宮本自身のテンションの上昇とともに楽曲内容も前向きなものに変化していくことも示しています。もちろん、それを支える事務所やレコード会社の存在があってこそなのでしょうし、テレビ等のメディアのみで切り取ると2007年にリリースされた「俺たちの明日」で突然、エレカシが復活を果たしたと理解し得てしまいます。
エレファントカシマシ – 俺たちの明日
『町を見下ろす丘』などの楽曲を経て、そして様々なアレンジャーやプロデューサーを迎え入れることによって、ここ数年のエレカシの活動があり、それによって宮本自身のテンションがスムーズに楽曲に反映されることになっているのではないでしょうか。しかし、やはり最近のライブでの宮本の「もう40過ぎてしまったけど、30代の時の様々な出来事があったにも関わらずこうして何とかやっていけているってのは、結局、何とかなるもんだ」といった趣旨の発言(要約すると「どーんと行きましょう」となる)などを聞いていると根底には彼自身の気持ちの変化が感じられます。
エレファントカシマシ – 流れ星のやうな人生(『町を見下ろす丘』所収)
そんな中で行われた武道館ライブ。やはり日本のロックミュージシャンにとって武道館という場所は非常に重要なものであるようで、エレカシ自身も今月末にリリースされるアルバムを引っさげてのツアーがあるにも関わらず、日程的に近いこの時期に開催され、宮本自身もMCで「待ちに待った」と表現していました。そして内容もデビューから直近に至るまでのエレカシ集大成的な内容になっており、若い頃の楽曲からヒット曲、お馴染みの曲、最新シングルと盛りだくさんな内容になったことも彼らのこのライブにかける意気込みが感じらるかと思います。さらには「いっぱい練習しました」というように完成度の高い演奏とストリングスを導入したライブと彼らの気合いの高さが随所に存在しました。
エレファントカシマシ – はじまりは今
個人的には四月なので「四月の風」だろうとか、「はじまりは今」はやらないのか!と思うこともありましたし、ライブではおなじみの「ガストロンジャー」もない・・・と言ったことも頭に浮かびましたが、それはそれ。とりあえずここまで書いてきましたが、要は4月29日にニューアルバムが発売されるんだぜエブリバデということを書きたかったわけです。