2010年第2回例会開催のお知らせ(第1報)

第2回例会「ゲーム産業は、いかにして成立しえたのか――アメリカ、日本…草創期に何が生じたのか」

本年度2回目の例会を下記の要領で開催いたします。今回も前回と同様、事前参加登録を行う予定です。こちらの登録ページは後日告知させていただきます。

○概要

ゲーム産業の成立要因には、いくつもの謎が隠されている。アメリカでは1980年代前半に、コンピュータ・ゲームのビジネスが崩落(いわゆる「アタリショック」)したのはなぜなのか?なぜ、日本は世界に先んじてゲーム産業を大きく発展させることができたのか?ヨーロッパ、アメリカ、日本、韓国、中国…それぞれの国でゲーム産業が成長した時期に10年以上のズレが生じたのはどうしてなのか?また、インドや、南米などで未だに産業が成立し得ていないのはなぜなのか? こうした問題について統一的な答えはまだない。
今回の例会では、これらの疑問にアプローチを試みる、研究者、開発者、在野の研究者などを招きこの問題について考えていきたい。

○日時

10月23日(土) 13時開場、13時20分開始

○場所

キャンパスイノベーションセンター東京 2F多目的室2 (JR田町駅近く)
http://www.cictokyo.jp/index.html

○参加費

500円(会員は無料)

○司会

吉田正高 (東北芸術工科大学)

○発表者

樺島栄一郎 (相模女子大学)
米光一成 (立命館大学)
井上明人 (国際大学GLOCOM)

○タイムスケジュール

13:20-13:40 趣旨説明
13:40-14:20  樺島栄一郎 (相模女子大学)
14:20-14:30 休憩
14:30-15:10 米光一成 (立命館大学)
15:10-15:50 井上明人 (国際大学GLOCOM)
15:50-16:10 休憩
16:10-16:40 総合討論

賛助会員からのお知らせ

本学会賛助会員のSCIVONE様から下記の情報をいただきました。本件に関するお問い合わせは学会ではなくSCIVONE様にお願いいたします。

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JAniCA共同開発、ジブリで生まれたアニメーター専用ストップウォッチ、iPhoneアプリで復刻

http://www.scivone.com/info/2010/201008003.html

サイフォン合同会社(本社:東京都三鷹市、代表社員兼CEO:宮野耕一、代表社員兼CCO:大橋正司、以下サイフォン)および一般社団法人 日本アニメーター・演出協会(事務局:東京都杉並区、代表理事:山崎理)は、日本のアニメーション制作に特化した1/24秒・1/30秒計測ストップ ウォッチiPhoneアプリ「JAniCA Watch 1/24秒計ストップウォッチ」(税込価格350円)の提供を、2010年8月26日よりApp Storeにて開始いたしました。本アプリは1993年に、当時、株式会社スタジオジブリで映画「海がきこえる」の制作に演出助手として参加されていた演 出家、村田和也氏らを中心として特注されたアナログ式ストップウォッチの復刻版です。

JAniCA Watchとは

日本のアニメーションは24コマ単位で制作されていますが、1/24秒単位でモーションのタイミングを計測できるストップウォッチは市販されていま せん。1993年に、当時、株式会社スタジオジブリで「海がきこえる」の制作に演出助手として参加されていた演出家、村田和也氏らを中心として特注された 実機のみが存在していますが、部品の入手や職人の手配が難しく、現在では生産が不可能な状態が続いています。

この度、業界内での強い要望にお応えし、一般社団法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)との共同開発により、上記ストップウォッチを iPhoneアプリとして復刻しました。1秒24コマ、日本の標準的なタイムシートに合わせて1周で6秒を計測する、日本のアニメーション制作に特化した ストップウォッチです。また、Flash・Web・VP用映像などの制作でお使い頂けるよう、30コマ単位での計測も可能です。本アプリでは、前述のアナ ログ式アニメーター用ストップウォッチで使われた文字盤を、開発者の村田氏のご厚意により復刻しました。

JAniCA Watchの特徴

タッチパネル式インターフェイスでは画面を見なければ操作ができません。JAniCA Watchではこの欠点を克服するため、片手で使っても両手で使っても、見ても見なくても使えるよう、一般的なボタンを一切排除しました。また、リソース が限られているiPhone/iPod touchでは、微妙な誤差の発生が問題となっていました。連打を行ってもタイミング計測に影響が出ないよう、1/24秒、1/30秒、いずれの計測時に おいても軽快なレスポンスを実現しています。

JAniCAとの共同開発について

大部分の日本のアニメーターは、制作会社に正社員として雇用されていません。参加する作品によっていろいろなスタジオに所属する形態が一般的です。 本アプリは、そんなアニメーターが持ち歩ける、アニメーション制作のためのツールです。これまで、日本のアニメ業界の中でコンピュータの導入が早かった作 業工程では様々な統合アプリケーションが開発・販売されており、制作会社・スタジオ単位での導入は進みましたが、演出・原画・動画を担当する個人のアニ メーターが、個人で使用するソフトウェア群はありませんでした。本共同開発プロジェクトは、そんな個人のアニメーターの視点に立ち、演出・作画の実業務に 対して便利に使え、しかし、お財布にやさしいツールを開発することで、日本のアニメーションのクオリティアップに貢献することを目的として始まった一般社 団法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)との共同開発プロジェクトです。今後も様々なツールの開発を継続して参ります。

JAniCA Watchの概要

タイトル JAniCA WAtch
対応機種 iPhone OS 3.1.3以上を搭載した、iPod touch 2G、iPhone 3G、iPhone 3GS、iPhone4(iOS4およびRetinaディスプレイ対応済)
必要な能力の関係で、初代iPod touchはサポートしておりません。ご注意ください。
国内販売価格 350円(税込)
言語対応 英語、日本語

JAniCA Watch 製品ページ

http://www.scivone.com/iphoneapp/janicawatch/

App Store URL

http://itunes.apple.com/jp/app/id388187488?mt=8

JAniCA Watch インタフェース画像

以下より、フルサイズでダウンロードいただけます。
JAniCA Watch スクリーン参考画像
○本件に関するお問い合わせ
サイフォン合同会社
〒180-0006
東京都武蔵野市中町2-1-9
I.G本社ビル 1F
Tel/Fax. 0422-53-9523

一般社団法人 日本アニメーター・演出協会(JAniCA)
〒166-0004
東京都杉並区阿佐谷南2-14-4
阿佐ヶ谷WAOビル3階
http://www.janica.jp/

IGDA日本 同人・インディーゲーム部会 第7回研究会(SIG-Indie7)のお知らせ

本学会も後援として参加しておりますIGDA日本 同人・インディーゲーム部会(SIG-INDIE)第7回研究会をお知らせいたします。ご都合のつく方はぜひご参加ください。

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IGDA日本 同人・インディーゲーム部会 第7回研究会(SIG-Indie7)
「実践事例から学ぶプロデュース・PR術ー手にとってもらえるテクニックー」

http://www.igda.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=348

IGDA日本(国際ゲーム開発者協会日本) 同人・インディーゲーム部会(SIG-Indie)は、第7回研究会を2010年9月11日(土)に開催いたします。

今回は、「同人・商業ゲームの開発・販売・流通に携わる企業の方はどういう仕事をしているのか」、「作品を多くの人に遊んでもらう、手にとってもらうにはどうすればいいか」、また、「起業するにはどうしたらいいか」といったことをテーマに、同人ソフトや商業ゲームの開発・販売・流通の現場に近い方々に講演していただきます。「作品をもっと多くの方に手にとってもらいたい」と思う方も、「作品のPRノウハウを吸収したい」と思う方も、「商業デビューしたい」と希望する方も、それぞれの立場から何か得られるものがあれば幸いです。

■日時 :2010年9月11日(土) 13:30-17:30(受付時間13:00-) 懇親会 18 : 00-
■場所 UDXマルチスペース(東京フードシアター5+1) http://www.foodtheater.jp/
アクセス http://www.foodtheater.jp/access.html
■主催 :国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本) http://www.igda.jp/
■共催 :UDXオープンカレッジ http://www.icic.jp/workshop/
■後援:NTT都市開発株式会社/鹿島建設株式会社/ダイビル株式会社/株式会社クロスフィールドマネジメント/株式会社新産業文化創出研究所/コンテンツ文化史学会
■定員 :120名 (ゲームに関心のある方であれば、どなたでも参加できます)
■参加費:研究会のみ 1,500円(入場券チケットを購入して下さい)
研究会および懇親会の両方に参加 5,000円
(全席自由チケットを購入して下さい)

■申し込み期間: 2010/8/27(金)10:00 – 2010/9/9(木)18:00
■申し込み方法:
※チケットの販売開始は、「e+」というチケット販売代理システムを利用して行います。

詳しくは、下記のページをご覧下さい。
http://www.igda.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=348

◎プログラム

第1部

13:30 – 14:00
樺島榮一郎 (相模女子大学)
「日本のポピュラー音楽に見るインディーズの成立条件」
http://www.sagami-wu.ac.jp/

<休憩>

第2部

14:10 – 14:40
鮎澤慎二郎 (株式会社虎の穴 クリエイタークリエイト)
「インディーズ作品だからこそ出来る事」(仮)
http://www.toranoana.jp/

14:40 – 15:10
山本大輔 (もえCDプレス、(有)ブルーレイ 統括部長)
「同人ゲーム制作の支援からの四方山話2」
http://www.moe-cd.com/

<休憩>

第3部

15:20 – 15:50
高野恵介 (㈱テイジイエル企画 営業部 部長)
「商業視点から見た、同人と商業の違い」(仮)
http://www.tgl-kikaku.co.jp/

15:50 – 16:20
寺月恭一 (FLAT)
http://flat-software.com/

<休憩>

第4部

16:30 – 17:30
ディスカッション

18:00 – 20:00
懇親会 - UDXマルチスペース(東京フードシアター5+1) セミナーと同じ会場です

コミケット78、お疲れ様でした。

少し時間があきましたが、コミックマーケット78に「コンテンツ文化史学会」として参加してまいりました。3日目の暑い中、足をお運びいただきました皆様には御礼申し上げます。おかげさまで持ちこみました55冊が完売となり、委員の皆驚きとともに喜びにあふれております。

まだまだ暑い日が続きますが、残りの夏を有意義にお過ごしください(と自分にも戒めます)。8月末締め切りで本学会の大会発表申込があります。ご興味のある方はご検討ください。

コミックマーケット78参加のお知らせ

下記の日程でコミックマーケット78に参加いたします。お近くを通りかかった際にはお立ち寄りください。

【日  時】 2010年8月15日(日)
【場  所】 東京有明ビッグサイト
【サークル名】 コンテンツ文化史学会
【配  置】 東N-03a
【頒 布 物】 『コンテンツ文化史研究』2号・3号
【価  格】 各2000円
【搬 入 数】 各20~30部ほど

コンテンツ文化史学会第2回大会発表論文募集のお知らせ

コンテンツ文化史学会では、来る11月20日(土)、21日(日)に第2回大会「拡大するコンテンツ」を開催いたします。

○趣旨説明

本学会は2009年度に第1回大会「アマチュア文化とコンテンツの未来」を開催した。この大会では、変貌するコンテンツ制作とその発表の「場」を考えるべく、アマチュアが創作する音楽、ゲーム、ファッションについて精力的考察を行ってきた研究者が成果発表を行った。また、アマチュアのクリエイタ―が創作・交流を行う場を提供している関係者を迎え、パネルディスカッションを開いた。

さらに2010年にはプロとして活躍するコンテンツクリエーターを迎えて、東京国際アニメフェア2010にて、シンポジウム「変容するコンテンツ文化とクリエイター -進化するアニメ、ゲーム、ノベルの可能性-」を開催し、自らを取り巻く制作環境の変遷や創作活動の源泉を聞き、今後のコンテンツ文化の発展の可能性や方向性について議論した。

以上を踏まえて、本学会は「拡大するコンテンツ」と題し、プロ・アマチュアなどを問わず変貌するコンテンツの創作状況や発表・交流の「場」、さらには研究者自身の方法論的問題をテーマとした第2回大会を開催する。同時代的なコンテンツ作品およびそれに関連する文化的状況をいかに分析するか。本大会が、今後のコンテンツ文化史への議論の礎のなることを期待する。

【概要】

○大会テーマ:

「拡大するコンテンツ」

○開催日:

2010年11月20日(土)・21日(日)

○場所:

東京大学工学部2号館93B教室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_18_j.html

○研究発表の種類と時間

・研究発表は以下の2種類があります。両方ともに口頭発表になります。

1:テーマ発表
2:自由論題発表

・テーマ発表は大会テーマ「拡大するコンテンツ」に関連する発表になります。
・自由論題発表は大会テーマ以外でコンテンツ文化史に関連する研究発表になります。
・発表時間は2種類とも質疑応答を含めて30分といたします。
・発表申込は1人につき1種類、1報告のみです。
・なお自由論題において大会テーマとは別のテーマ立てによる企画セッションとしての申込も可能です。一つのセッションの司会者・発表者をまとめた上で代表者が応募してください。

○発表申込方法:

・発表申込は本学会会員に限ります。連名で申し込む場合は第一発表者が会員である必要があります。
・報告を希望される方は、所属機関・氏名・報告論題・発表原稿(8000字以内)を2010年8月30日必着でウェブサイトの投稿フォームよりお送りください。
※投稿フォーム: http://www.contentshistory.org/journal/contribution_form/

・採否は、9月末までにご連絡いたします。
・なお投稿される発表原稿は本学会の執筆要綱に準拠いたします。執筆要綱を守られていない場合は受け付けないのでご注意ください。
・採択された原稿は、当日配布の予稿集に掲載いたします。
・学会誌『コンテンツ文化史研究』では、大会特集コーナーを組み、大会で発表された論文の投稿を受け付ける予定です。

○2010年コンテンツ文化史学会大会実行委員会

実行委員長:七邊信重(東京工業大学)
委員:井上明人(国際大学)
委員:今井信治(筑波大学院)
委員:大橋正司(東京大学院)
委員:樺島榮一郎(相模女子大学)
委員:こさささこ(クリエーター)
委員:小山友介(芝浦工業大学)
委員:玉井建也(東京大学)
委員:中村仁(東京大学)
委員:中村晋吾(早稲田大学院)
委員:東健太郎(東京大学院)
委員:吉田正高(東北芸術工科大学)

○連絡先:

〒990-9530山形市上桜田3-4-5東北芸術工科大学デザイン工学部
メディアコンテンツデザイン学科 吉田正高研究室
TEL:023-627-2059

例会終了

26日(土)に開催されましたコンテンツ文化史学会2010年第1回例会「趣味文化研究の作法」は無事終了いたしました。会場に足をお運びいただきました皆様、発表者の皆様、ありがとうございました。当日は61名もの多くの人にご参加いただきまして、非常に活気あふれる会になりました。

司会の七邊さんからの「本学会の投稿論文の採択率の低さ(50%)」→その採択されない論文の多くの傾向として「私語り・印象論、データなき誇大理論、分析枠組(に対する反省)なきデータ分析」という点が指摘され、またコンテンツ分野の先行研究としても「歴史学、社会学、経済学、観光学、文学、メディア研究、マンガ学、ゲーム学 etc.」数多くの研究分野が挙げられるのに参照していない点が指摘されておりました。そして当日の目的として「1:作り出された作品・知識(opus operatum)、2:作品・知識を作り出すやり方・作法(modus operandi) 研究のハビトゥス」の2点の共有、さらに具体的には「問いの立て方、研究対象の構成の仕方、回答者、インフォーマントの探し方、先行研究の集め方、分析枠組・理論、データの整理法(カード、ソフトウェアなど)」といった点を考えようと提案され、3人の発表が行われました。

当日の様子は以下、twitterのつぶやきからご覧ください。

http://togetter.com/li/32075

また発表者のお一人である小山友介さんの当日の発表資料がウェブに挙げられておりますので、ご覧ください。

http://pub.idisk-just.com/fview/zg-uKV6EGRju3YoKbKWvR21_RILMzudDkf1aiZLpki8NwVw6YjGVI72tQyWLDuFvc7USJz8QOurZStPnVKvE9Q/44Kz44Oz44OG44Oz44OE5paH5YyW5Y-y5a2m5Lya77y_5bCP5bGx.pdf

しかし、当日来られた方の中には、また古典的な研究分野(と書くと語弊があるかもしれませんが)に従事している方には「コンテンツ学というものは、このようなレベルの話をしないといけないのか!」と驚かれるかと思いますが、本当にこのような話をしないといけないのが現状です。この会を開いたことによって、今後のコンテンツ研究が大きく進展することを切に願っております。いや、本当に!

明日になりました!

ついに明日になりましたコンテンツ文化史学会2010年第1回例会「趣味文化研究の作法」。委員ともども皆様のご参加をお待ちしております。また発表者の皆様、明日はよろしくお願いします。そしてまだ参加すべきかどうか迷っている方はぜひご参加ください。卒論や修論、そして今後の研究でサブカルチャーやコンテンツ、ファンやファンダムといったものを対象に研究を行おうと考えている人はぜひご参加ください。そうでない方ももちろんお待ちしております。

明日の例会の詳細な情報(参加登録フォーム・時間・場所など)は下記のページからご確認ください。

http://www.contentshistory.org/2010/05/17/730/

さて、参加される前に読んでおくと理解が深まるサイトがございます。

http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITew000024072009

明日発表していただく小山友介さんの以前の発表に関するレポートです。ゲームジャーナリストである新清士さんによる記事で、非常に分かりやすくまとめられております。コミックマーケットで実際にどれだけの人が創作を経験しているのかが可視化され、これまで「色々な人が参加してきた」とか「漫画家の○○さんはあそこで売ってた」等々の印象論で語られることの多いコミケットがリアルに浮かび上がってきます。そのほかのデータもございますので、明日はこれらを踏まえたお話をしていただけることと思います。なお、小山さんのKDDI総研R&A誌での文章は下記から読めます(PDF)。

http://www.kddi-ri.jp/pdf/KDDI-RA-200904-02-PRT.pdf

また、玉川さんは以前、「コミックマーケットにおける同人作家の商業誌経験」という論考を『マンガ研究』9号(2006年)に発表されております。こちらもC66での調査によって、「同人」と「商業」という意識や商業誌へ作品をどれだけ掲載したか等々がデータから語られており、明日はさらに深いお話が聞けると思います。

『コンテンツ文化史研究』3号のお知らせ

遅れておりました『コンテンツ文化史研究』3号が出ます。今度の例会に合わせての発行となりますので、例会に参加される会員の皆様にはいち早くお渡しいたします。その他の会員の方は事務局から発送いたします。

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『コンテンツ文化史研究』3号目次

<インタビュー>

本田透氏インタビュー

<自由投稿論文>

七邊信重「「同人界」の論理―行為者の利害-関心と資本の変換―」

〈特集「コンテンツと場所」〉

特集「コンテンツと場所」にあたって

〈依頼論文〉

玉井建也「物語・地域・観光―「稲生物怪録」から『朝霧の巫女』、そして「聖地巡礼」へ―」

〈投稿論文〉

岡本健「コンテンツ・インデュースト・ツーリズム―コンテンツから考える情報社会の旅行行動―」
今井信治「コンテンツがもたらす場所解釈の変容―埼玉県鷲宮神社奉納絵馬比較分析を中心に―」

<参加記>

三宅陽一郎「IGDA日本代替現実ゲーム部会 第一回研究会「ARG入門:体験型エンタテインメントの現在と未来」参加記―新しいコンテンツの展開の形  ARG (Alternate Reality Game) ―」

<書評>

山口浩「出口弘・田中秀幸・小山友介編『コンテンツ産業論―混淆と伝播の日本型モデル―』」

<第二回例会の記録>

<二〇〇九年度コンテンツ文化史学会総会の記録>

例会に向けて

すっかり月報のようになってしまいましたブログです。皆様。お元気ですか。とりあえず関東地方は梅雨入りをしております。

さて、ついに来週に迫ってまいりました。6月26日(土)にコンテンツ文化史学会2010年第1回例会「趣味文化研究の作法」が開かれます。会員の皆様も、非会員の皆様もぜひともご参加ください。オタクや鉄道マニアを研究することに興味はあるのだが、学術的な場所に参加して良いのかどうか迷っている方もぜひご参加ください。お待ちしております。

http://www.contentshistory.org/2010/05/17/730/

なお、昨年の例会および大会とは場所が違いますのでご注意ください。JR田町駅を出たところですよ!

さて、例会ですが、昨年の2回は私がある程度関わって企画していきましたが、今回は司会をつとめます七邊さんが企画をしたものになります。従いまして、私はどのような会になるかを妄想するしかないわけです。

とはいえ、「趣味文化研究の作法」の趣旨文に書かれておりますように、「「私語り」や「主観的印象論」、あるいはデータなき「誇大理論」に陥らずに、いかに調査・研究していくかを考えること」に尽きるかと思います。これを踏まえると2つの点が重要であると想定されるでしょう。

  1. 趣味文化を享受する自分自身と、それを対象とし研究する自分自身の距離感
  2. 趣味文化を研究するにあたってのデータ(質的・量的)の取り方、および研究の方法

という2点でしょうか。前者はより精神的な話ですが、現在進行形で変容していく趣味文化自体を研究するにおいて、私たち研究者自身もまた同時代に存在することはどうしても必至になります。当然ですね。ただその場合、よくも悪くも雑音のように入り混じってしまうのが、同時代的存在であるがゆえに趣味文化を味わっている研究者自身の感情や主観でしょう。これが入ってしまうと途端に研究論文足りえません。自分自身も観察対象や観察事象に包括されうる存在であることを常に認識しながら、そこからの距離感を絶妙に保ち、研究を行う。この点は社会学や民俗学、文化人類学などで行われる参与観察もまた重要な点になってくるでしょう。

後者はより実態的な話になってきます。印象論的なものを排除していった場合、どのようなデータを取り、それをどうやって研究へと生かしていくのか。趣味集団にどうやってアンケートやインタビューをお願いするのかといった細かい点も重要になるかと思います。特に既に先行して存在するオーラルヒストリーやその他、聞き取り調査研究とどう比較しつつ、コンテンツ学に生かしていくのか。大きな課題でしょう。

という話になるかもしれませんし、違うかもしれません。